ラピスラズリ
ラピスラズリは日本では瑠璃(るり)と呼ばれ、七宝の一つでもあります。そのラピスラズリとは、正確には一つの鉱物をさす名称ではなく、ラズライトを中心とし、ソーダライト、アウイン(アウイナイト)、ノーゼライトで構成され、そこに部分的にカルサイト(白っぽい筋模様)やパイライト(黄鉄鉱でできた金粉模様)が混入したものです。
ラピスはラテン語で「石」を意味し、ラズリは「青」を意味するペルシア語の「Lazward」(ラテン語の「Lazur」)がラピスラズリの石名の語源で、ちりばめられた金は「星」を象徴しています。
品質
ラピスラズリは、前述のように、単一の鉱物ではないため、均一な色をしていることが少ないのですが、紺青色の一様なものが評価が高くなります。また、パイライト(黄鉄鉱でできた金粉模様)インクルージョンが美しく点在し、黄金色に輝いたものがさらに高く評価されています。逆に、カルサイト(白っぽい筋模様)が多くあるものは、評価が下がります。
ラピスラズリの産地としては、アフガニスタンが有名で6000年以上の歴史があるといわれています。そのほかシベリア、チリ、カナダ、アメリカ・コロラド州などでも産出します。
意味・効果
ラピスラズリは邪気を退けるパワーをもちますが、外部からの邪気だけでなく自身の心の邪念も退けるといわれます。怒りや嫉妬などを払いのけ、危険を回避してくれます。
心にある誤った考え方を正し、判断力を高めるため、進むべき道に迷った時などに身につけると良いでしょう。
目先の結果だけではなく、自分にとって正しい方向への前進を促してくれます。
その結果、最高の幸運を呼び寄せることになるでしょう。
『第三の目』のチャクラを刺激し、直観力と創造力を高めるため、企画力が欲しい人やクリエイターにはもってこいの石ともいわれています。
さまざまなパワーをもつとされるラピスラズリですが、ひとつ大きな特徴をもっています。
ラピスは、目先の幸福だけを運んでくるだけではありません。
持ち主が本当の意味で成長できるように、試練をあたえることがあるのです。
それぞれの人がもつ、越えなくてはならないこと(カルマ)をいちはやく感づかせ魂のレベルを高めるサポートをしてくれるといわれています。
身につけることによって、普段らしくない経験をすることから『本当に幸運の石なのかな?』と思うことも多いようです。しかし、それは、ラピスラズリが教えてくれる魂を磨くためのメッセージ。その意味は後になってわかるはずです。
ただ幸運を運ぶだけではなく、持ち主を本当の意味で磨いてくれる奥深いパワーをもつラピスラズリ。お守りとしてだけではなく、良きパートナーとして身につけることをお勧めします。
言い伝え
ラピス・ラズリ。和名を『瑠璃』と呼びます。石を意味するラテン語の『ラピス』と青を意味するアラビア語の『ラズリ』との創作語になります。
民族を越えた名前のとおり、紀元前から世界各地で『聖なる石』と崇められてきました。
時に、深い青は"夜空"を金色を"星"を表し『天を象徴する石』とされることもあったようです。
"愛と美の女神"アフロディーテとも関係が深く、古代ローマ時代では、恋人たちの愛と夢を守る石と崇められた歴史も伝えられています。
現在でも、恋愛に絶大なパワーを発揮し、愛する人との幸せを優しく守ってくれるでしょう。
日本でも、仏教の世界では極楽浄土を飾るとされる『七宝』のひとつ『瑠璃』と呼ばれ、『幸運のお守り石』として古くから人々に愛されてきました。
またこの美しい青色は魔よけのパワーがあるとされ、バビロニアやエジプトでは、この石の粉を使い壁画を描き護符としたといわれています。
特に、エジプトでは最高の力を秘めた護符として、黄金に匹敵するほどの価値を与えられることもありました。
ツタンカーメン王の棺の装飾品として、この石が多くはめ込まれていたことからも特別な存在であったことがうかがえます。
そして、世界で最初に"パワーストーン"として認められた石はこのラピスラズリだといわれています。最も歴史の古い石のひとつといえるでしょう。